初めまして!ウェイブ編集部のKです。
普段は男性向けの作品を中心に担当しています。
今回は「『ドキッ♡』としちゃう漫画とは?」というテーマで、自分が作家さんとのやり取りの中で大事にしていることについてお話ししたいと思います!
「ドキッとする」といっても、いろいろな種類がありますよね。
ヒロインの何気ない仕草にドキッとしたり。
思わず続きが気になってしまうような展開にドキッとしたり。
「こんなシチュエーション、最高じゃないか……!」と、自分の性癖に刺さってドキッとしたり。
では、その「ドキッとする」シーンを生み出すために、何が一番大切なのか?
私は、「作家さん自身の“好き”を作品に入れること」だと思っています。
■まずは正直に「自分の好き」を言語化してみる
作品を作るとき、作家さんにはそれぞれ、
「こういう女の子が好き!」
「こういうシチュエーションを描きたい!」
「このキャラクターの、ここを見てほしい!」
という「好き」があると思います。
私は、それをぜひ作品に入れてほしいと思っています。
面白いかどうかは、数値化できない評価です。
作品作りにおいて、判断に迷った時、自分の「好き」が軸にあれば、それが判断基準になるはずです。
だからこそ私は、企画を考えるときもネームを見るときも、「この作家さんは、何が好きなんだろう?」
ということを大切にしています。

■でも、「好き」だけでは伝わらないこともある
……とはいえ。
ここで、ひとつ難しいところがあります。
作家さんが「好き!」と思っているものを、そのまま作品に入れるだけで良いかというと、
そうとは限りません。
「このシーン、めちゃくちゃ好きなんです!」
「このキャラクターのここが最高なんです!」
という気持ちがあっても、読者さんからすると、
同じ熱量で「好き」を感じられないこともあります。
これは、作家さんの「好き」が悪いわけではなく、読者さんへ正確に伝わっていないだけです。
作家さんの「好き」が、読者さんにとって新しい価値観だった場合、伝えるためには工夫が必要になってきます。
そこで、編集者の出番です。

■作家さんの「好き」を読者さんに届けるのが編集者の仕事
私は、編集者の仕事のひとつは、
作家さんの「好き」を、読者さんへ伝わる形にすることだと思っています。
たとえば、
「好きという感情を、具体性が出るまで言語化してみましょう」
「感情を、普遍性が出るまで分解していきましょう」といったように、作家さんと一緒に考えていきます。
もちろん、編集者が「こうしたほうがいい!」と一方的に決めるわけではありません。
作家さんが持っている「好き」を聞いて、
「それなら、どう見せたらもっと伝わるだろう?」
「どうしたら、もっと多くの読者さんに刺さるだろう?」
と、一緒に考える。
それが私の考える編集者の仕事です。
■読者さんに届けやすい形を考える
ここで私が特に大事にしているのが、読者さんに届けやすい形にすることです。
例えば、とっても大きい胸が好きな作家さんがいたとして、胸のサイズ感によっては、読者さんの好みが分かれます。
ここで題材的に厳しいので別案にするのではなく、大きい胸が好きという感情を、作家さんと分解してみます。
そうすると、大きい胸を通して求めている感情は、母性や安心感などの、普遍性のあるものだったりします。
読者さんに広くウケそうにない属性や設定でも、
作品のテーマ(この場合は読者さんに伝えたい感情)を普遍的なものにできれば、
多くの人に刺さる作品にすることができると思っています。
なので、私が作品を担当する際は、まず「好き」を整理していき、
その根幹にある普遍的な感情を見つけてから、
それを土台に作品を考えていくようにしています。

■「ドキッと」は、作家さんの「好き」から生まれる
結局のところ、読者さんをドキッとさせるために大切なのは、「作家さん自身が「これが好き!」と思えるものを、作品にしっかり込めること」だと思っています。(よく言われていることで恐縮ですが…)
そして編集者は、その「好き」がより多くの読者さんに届くように、一緒に方法を考えることが仕事だと思っています。
作家さんの「好き」の濃度はそのままに。
その「好き」を、できるだけたくさんの読者さんへ届けるために。作家さんとは別の視点から、意見を出していければと思います。
最後になりますが、
作家さんと共に作品を作っていく作業は、非常に楽しいものです。
もし、作家さんの「好き」を読者さんに届けるお手伝いがしたい!という方がいれば、
ウェイブでは編集者の募集を行っておりますので、ご応募お待ちしております。